実施してきたこと 8 過去問分析(事例Ⅰ~Ⅲ)

前回までのあらすじは、こちら

3.勉強編

3.2 実施してきたこと 8 過去問分析(事例Ⅰ~Ⅲ)
過去問実施後、振り返りを行い、過去問の与件文や設問、高得点となる解答を分析します。

  • 各事例ごとの過去問の与件文、設問、合格者等の答案の3点を分析して、与件文のポイントやキーワードの抜き出し、設問の出題パターンや出題傾向、答案へ解答すべき方向性を理解し、より高得点が期待できる解答を導き出す。
  • よく出題される設問(SWOT問題等)や課題点に対する施策や効果について、高得点が期待できる解答パターンをストックする。
  • どの設問に対しても解答フレームワークを作成できるようにする。
  • 自分で過去問の課題点やキーワード、出題傾向、解答すべき方向性を分析してみる。
  • 自分が納得するベストな解答を書けるようにする。1つの参考書の模範解答の基準だけに依存しない。
  • 過去問の自己採点が60点以上でも合格基準とは異なると意識しておく。あくまで自分の成長目安程度だと認識しておく。
  • 事例企業の課題のパターン、設問の出題パターン(第1問にSWOT分析、最後の問題でビジョンの実現施策等)、解答パターンを過去問を多くこなして、傾向をまとめる。
  • 事例企業の「課題」に対して、「課題に対する対策」 + 「対策することによる効果」 を自動的に書き出せるように解答パターンをストックする。
    事例企業の課題の抽出 → 課題の対応策 → 対応策による効果 を過去問の事例企業から高得点答案になるパターンを分析し、類似の課題が出題された場合に自動的に対応策と効果を書けるようにする。
  • 過去問(最速合格のための第2次試験過去問題集(TAC出版)等)
  • 過去問解説書(ふぞろいな合格答案、最速合格のための第2次試験過去問題集(TAC出版))
  • 解答後の答案ノート
  • チェックリスト
  • 採点後の答案ノート
  • チェックリスト
  • ファイナルペーパー
  • 80分プロセス
  • 勉強記録ノート
  • 過去問与件文分析ノート
  • 過去問分析表
  • 過去問間違いポイントノート
  • 過去問実績表
  • 解答パターン表

※詳細はこちら

過去問を実施後、以下の振り返り、分析を実施していました。

(1)過去問の取り組みチェックリストの活用
①過去問実施後、チェックリストを活用し、できていない点にチェックを入れる。
チェックが多い内容が、自分ができていない点なので、重点課題として認識し、対策を強化する。

チェックリストの活用イメージ

実際には、チェックリストは、紙に印刷していました。


②必要に応じて、気づきや課題点を勉強記録ノートに記録する。

(2)80分プロセスの精査
①80分プロセスを確認し、80分内の各工程で改善点や修正点、気を付けないといけない点等があれば随時追記、修正する。
※80分プロセスの詳細については、次回以降、後述します。

80分プロセスのイメージ

(3)過去問の採点
①ふぞろいな合格答案を基準として、実施した過去問の答案採点を行う。

(4)過去問の自分の答案分析
①過去問の各設問単位で、自分が書けていなかった重要なキーワードやポイントを「過去問間違いポイントノート」に書きだす。
重要なキーワードやポイントは、ふぞろいな合格答案、最速合格のための第2次試験過去問題集(TAC出版)の模範解答や解説を参考にして、自分が重要だと納得するキーワードやポイントを選択する。

実際に作成した過去問間違いポイントノート

②同じ過去問の2回目以降実施に、「過去問間違いポイントノート」を見直し、前回実施時の間違った(書けていなかった)ポイントが書けているかどうかをチェックする。
書けていない場合は、「過去問間違いポイントノート」に追記する。
また前回書けていたのに、2回目以降で書けていない点や理解があいまいな点もチェックし、解答の精度を高めていく。
必要に応じて、答案ノートから前回実施時の解答文と比較を行う。

8月6日実施時の答案

4月9日実施時の答案

答案ノートの比較イメージ 過去に書いた内容と比較する。

  • ふぞろいな合格答案の解答例だけに依存せず、最速合格のための第2次試験過去問題集(TAC出版)の解答も参考して、自分が納得する解答を書けるようにする。
  • ふぞろいな合格答案の採点基準を採用しているため、最速合格のための第2次試験過去問題集(TAC出版)の模範解答に近い解答を書けば、必ずしも得点が高くなるとは限らないことを理解しておく。(成長は得点だけで計れない)
  • ふぞろいな合格答案の解答、最速合格のための第2次試験過去問題集(TAC出版)の模範解答のどちらにも近くない解答は、基本的に自分の考え方が正しくない(高得点の解答でない)という判断をしていました。

③何度も繰り返し間違えるパターンや気を付けないといけないケアレスミス等は、課題一覧表やチェックリストやファイナルペーパーに追記する。
何度も繰り返し間違えるパターンは、自分の弱点や本番でミスしやすい点になるため、優先度を高めて対応する。

課題一覧表のイメージ

(5)過去問の与件文分析
①与件文を読み、SWOT、キーワード、ニーズ等を「過去問与件文分析ノート」に抜き出す。
 ※抜き出し項目は、下にある②の「抜き出し項目のマーク(例)」を参照ください。

実際に作成した過去問与件文分析ノート

自分は、実施した過去問(事例Ⅰ~Ⅲ)すべてで、与件文からSWOT、キーワード、ニーズ等の抜き出し(過去問与件文分析ノートの作成)をしていました。
その各事例ごとの内容を過去問分析表にまとめていました。
過去問分析表については、次の「(6)過去問分析表の作成」で説明します。


②抜き出したSWOT、キーワード、ニーズ等が模範解答でどの設問でどのように使用されているか比較・確認する。
これにより、与件文からSWOT、キーワード、ニーズ等を抜き出す力を高める。
抜き出したSWOT、キーワード、ニーズ等から漏れている場合は、自分が読み取れていない点だとわかる。

自分は、試験時に与件文のキーワード等の抜き出しには、マーカーペンを使用せず、シャーペン1本でやってました。
事前に抜き出し項目を決めておき、それぞれの項目が記載されている行に項目のマークをメモするというスタイルでやっていました。
項目ごとのマークも事前に決めてました。

実際の本試験時の問題用紙
→マーカーペンは使用していません。シャーペン1本で、行横に抜き出し項目のマークをメモしてました。

抜き出し項目のマーク(例)
事前に与件文から抜き出す項目のマークを決めておく。

マーカーペンを使用しなかった理由は3点あります。

  1. 過去問の問題用紙を毎回印刷する時間とお金の負担が大きいため。
    過去問実施は、最速合格のための第2次試験過去問題集(TAC出版)を使用して、繰り返しやっていました。
    そのため、1度マーカーペンを使用すると、過去問実施時に毎回、問題用紙を印刷する必要があり、時間とお金のコストがかかることが勉強の阻害要因になると感じたためです。特に、印刷する時間と労力は負担が大きいと感じてました。

  2. 1度マーカーペンを使用すると消せないため。
    マーカーペンで抜き出したところを後から見て修正したくても、修正が難しく、結果として混乱が生まれる可能性が高いと判断したためです。

  3. 段取替えに時間がかかるため。
    マーカーペンを使用する場合は、複数の色を使い分けることが多く、要点ごとにペンを持ち替える必要が出てきます。
    自分は文章を読むのが遅い方なので、この持ち替える段取替えに時間を費やすと、80分の時間内にベストな解答が書き切れないと思い、使用をしていませんでした。

これも人それぞれだと思います。タブレット等を使用すれば、1の問題も解決できそうですし、自分の能力、環境面やリソースを考慮し、色々試してみて自分のスタイルで確立していけばいいと思います。

以下は、「1」についてのイメージです。
過去問実施時は、毎回、前回実施時に書いたメモを消していました。
超アナログですが、毎回、印刷するより、時間とコストは抑えられます。

実際の最速合格のための第2次試験過去問題集(TAC出版)の写真

(6)過去問分析表の作成
①過去問分析を行う表(過去問分析表)を作成する。過去問の各事例の設問単位で、1行追加します。

過去問分析表のイメージ

過去問分析表 項目例:
事例年度、設問番号、設問文のポイント、解答ポイント、解答のフレームワークetc
→必要に応じて、項目を追加・削除して、自分に合う分析表を作成する。

自分は、「得点」項目を右端に付けていました。
これにより、過去問実施後に各設問の得点を入力し、自分の苦手な設問パターンを分析できるようにしていました。

②過去問分析表に過去問の各設問ごとの設問文のポイントやキーワードを単語レベルで書き出す
ポイントやキーワードは、「(5)過去問の与件文分析」で分析した過去問与件文分析ノートを参考にして書き出す。

過去問分析表の設問ポイント記入イメージ

③過去問分析表に過去問の各設問ごとの解答のポイントやキーワードを単語レベルで書き出す。
解答するポイントやキーワードは、「過去問間違いポイントノート」やふぞろいな合格答案の模範解答、最速合格のための第2次試験過去問題集(TAC出版)も参考にして書き出す。

過去問分析表の解答ポイント記入イメージ

④過去問分析表に過去問の各設問ごとの解答の主語を明確にして、解答のフレームワークを作成する。

過去問分析表の解答フレームワーク作成イメージ

どんな設問でも解答のフレームワークを作成できるようにパターン化する。
解答フレームワークに解答ポイントを当てはめていくイメージです。
詳細は、「(7)高得点解答の分析」で後述します。

添削について
自分は、自分の書いた答案を他の人に見てもらうということは、してないです。
理由は、単純に見てもらう人がいなかったためです。もし今から受験するなら、AIツールを活用して、添削していたと思います。

私の解答の書き方は、基本箇条書きで書くスタイルでした。
採用理由は、純粋にこの書き方が書きやすかったためです。
解答イメージは、再現答案を参照ください。

(7)高得点解答の分析 (解答パターン表の作成)
①「(5)過去問の与件文分析」で分析した過去問与件文分析ノートから「解答パターン表」を作成する。
過去問与件文分析ノートから、各年度、事例ごとに洗い出したSWOTやキーワードの内容を転記する。

解答パターン表のイメージ

過去問与件文分析ノートのイメージ
分析したSWOTやキーワード等ごとに、解答パターン表に1行追加(転記)する。

解答パターン表 項目例
年度、切り分け(SWOT等)、内容、施策、効果
→必要に応じて、項目を追加・削除して、自分に合う解答パターン表を作成する。

内容(SWOTや課題)ごとに、高得点となる「施策」と「効果」を分析し、色々な角度から書き出す

高得点が期待できる仕組み
SWOTや課題から、高得点が期待できる「施策」と「効果」のパターンを分析し、色々な角度から書けるようにしていました。
高得点となる解答(キーワードやポイント)がわからなければ、ふぞろいな合格答案や最速合格のための第2次試験過去問題集(TAC出版)を見れば、答えが書いてます。
これを各年度、事例ごとに実施することで、高得点が期待できる解答がストックされ、解答のパターンが見えてきます
あとは解答パターンを自動的に書けるように過去問で訓練します。
本試験で類似の課題の設問が出たときに、これを実行することで、高得点が期待できるという仕組みです。

色々な角度とは、具体的には、4Pや部署・権限・連携等の視点です。
このあたりは、ねとたすさんの動画が参考になります。
ねとたすさんのYouTube

実際に解答を作成するイメージとしては、
①「(6)過去問分析表の作成」で作成した、解答フレームワーク(解答の大枠)に対して、
②各設問ごとの課題に対する、解答パターン(「対策」+「効果」)を当てはめていく。
というイメージです。

【実際に解答を書くイメージ】

解答フレームワークのイメージ

解答パターンのイメージ

→解答フレームワーク()の中に、解答パターン()の内容を入れる。
入れる内容(解答パターン)は、設問のポイントや解答のポイントを抜き出し、そのポイントに当てはまる解答パターンを書いていくという感じです。


自分の解答の書き方は、課題→対策→効果としていました。
ただ解答を作成するための思考ロジックは、
課題→結果(本来あるべき理想の姿)→できていない原因→対策の順番で考えていました。

(8)ファイナルペーパーへの追記
①過去問の分析を実施し、必要に応じてファイナルペーパーへ追記、修正を行う。

(9)勉強記録ノートへ記録
①勉強記録ノートに実施した事例の情報と点数や時間、課題点、気づき等を勉強記録ノートに記録する。

実際に作成していた勉強記録ノート

「管理編」で前述しましたが、自分は、物理的なノートに記録していました。理由は、勉強部屋で過去問を実施する時は、スマホを持ち込んでいなかったので物理的なノートに記録するしかなかったためです。
最初からタブレットやスマホのアプリ等で記録すれば、効率は良いと思います
以下の「(10)過去問実績表の作成」もスマホを使えば、転記することなく直接スプレッドシート等に書きこむことで効率化が図れます。

(10)過去問実績表の作成
①進捗確認のタイミングに合わせて、週1回サイクルで、勉強記録ノートに記録した各事例ごとの実施日時、設問ごとの得点を過去問実績表に転記する。

②過去問実施時の年度ごとの推移や各事例ごとの平均得点、設問単位での得点を可視化し、自分の傾向を定量的に分析し、課題点や強化するポイントを明確にする。

過去問実績表のイメージ

過去問実績表 項目例:
事例年度、対象事例(Ⅰ~Ⅳ)、実施日、点数、設問ごとの点数、備考
→必要に応じて、項目を追加・削除して、自分に合う実績表を作成する。

過去問実績表の作成は、ゆうきちさんのnoteを見て、参考にさせていただきました。
・ゆうきちさんのnote 「中小企業診断士 二次試験で302点を取るまでの軌跡」

「実施してきたこと 9」 につづきます。

書いている自分ですら、細かいことをちまちまやってんなって思います。
自分で言うのもなんですが、アウトプット多すぎて、理解できてる人はいるんだろうか…
まぁ結論は、合格するために色々やってきてるんだと思っていただければ、私はもう自己満足です。


次回もよろしくお願いします。

こちらもあわせて、どうぞ
得点公開
再現答案 令和6年度 事例Ⅰ
再現答案 令和6年度 事例Ⅱ
再現答案 令和6年度 事例Ⅲ
再現答案 令和6年度 事例Ⅳ

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